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冷凍都市に住む 妄想人類諸君に告ぐ『コインロッカーベイビーズ』感想

村上龍さんの『コインロッカーベイビーズ』を読みました。

『69』を去年関西旅行してる時に読んでて、かなり良かったのでもう二冊くらい読んでみるかと思い手を出してみました。

 

 

あらすじ

コインロッカーに捨てられていた赤子の生き残り、キクとハシ。田舎に住む夫婦に引き取られていたが、ある日ハシは自分の母親が"東京"にいるかもしれないことを知る。

母を求め一人東京へ消えたハシを追いキクも上京するが、それは二人の体内を渦巻く破壊的エネルギーの解放を促すトリガーだった。

 

 

感想

まず一番最初に思うことは「めちゃくちゃすぎるだろ」です。

コインロッカーに捨てられた子供という設定はまだぎりぎりわかるんですが、それ以外の登場人物もはちゃめちゃ過ぎるんですね。

途中から出てくるアネモネってヒロインがいるんですけど東京の家に天王星って名前つけてガリバーって鰐買ってるんですよね。読んでて意味わからな過ぎて声出ます。

そして人だけじゃなくて起こることも刺激的過ぎるんですよ。

大怪我して犬盗むし、ラリったタクシーがスラムに突っ込むし、警官の喉が裂けるし。

そして事態は悪いほうにだけ蟻地獄のように吸い込まれていくんです。

最初は刺激が強すぎて、暴力的で、ギラギラし過ぎで、読むのにかなりカロリー要りますが、1ページ1ページとめくるうちに慣れてきちゃいます。

 

そして自分も発狂したくなるんですよね。PANTERA聞いてる時みたいに破壊衝動と、絶叫したい欲求が喉元まで来るような感覚が味わえます。

この小説が凄いと思ったところです。

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この小説のテーマは言うまでもなく「破壊」だと思います。

下巻の最後のほうにめちゃくちゃ痺れるセリフがあるんですけど(絶対読んでたらこれってわかります)その"冷凍都市"を破壊し怒りながら生きろという警鐘を耳元でガンガン鳴らされてよろしくは無事都会アンチになりました。

 

都会に住んでて鬱屈してる人いたら読んでみて下さい。

 

評価8/10