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関係性フェチはやっぱりわかってる『きみはポラリス』感想

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今日は三浦しをんさんのきみはポラリスの感想です。

三浦しをんさんの作品は「まほろ駅前多田便利軒」「神去なあなあ日常」「舟を編む」などを読んでいました。

今回読んだ本は今まで読んでいた作品は職業について携わる人とその周りの人間模様を描いているものが多かったです。しかし今回は11篇からなる恋愛短編集で、しかも甘々な恋愛だけ連なってるショートケーキみたいな作品ではなく優しく甘い話からカラメル部分の苦い話も多いちょっと高級なプリンみたいな作品でした。

 

僕が特に気に入ったのは「裏切らないこと」と「私たちがしたこと」ですね。

「裏切らないこと」はある日夫が家に帰る際、窓越しに嫁が赤ん坊のペニスを口に含んでるのを目撃してしまうシーンから始まりその夫はなぜ女は肉親の男に甘いのかということを考え子供の頃近所に住んでいた不思議な老人夫婦のことを思い出し始めるという話です。あらすじだけ言ってもなんのこっちゃってなりますねw

まあこの作品は端的に言うとて愛し続けるということをテーマもに書いてるんだと思うんですけど僕はこの手のテーマに本当に弱いんですよね。

高校一年生の頃に新海誠さんの「秒速5センチメートル」を見てすべての章で部屋の中に雲を作るほど泣いてしまい、よろしくは純愛に圧倒的なあこがれを抱いてしまったんですよね…。それからというもの恋愛アニメを見て涙を流し、恋に恋し続けた童貞よろしくには今回の直球のテーマは良く刺さりました。

 

「私たちがしたこと」はこの作品のなかだと一番記憶に残りやすく引き込まれやすい作品だと思います。

地元の友達の結婚式のためのドレスを一緒に作っていた主人公は友人に「恋をしないの?」「黒川君を忘れられないんじゃないの?」と問いただされ高校生のとき起こしてしまった黒川くんとの共犯について話し始めるというストーリーなんですけど…

この作品はダークでドロドロして読んでると心がぐるぐるなるとってもいい作品でした。男女での共犯って人なら誰でも憧れる甘美な響きですよね…

やっぱり恋もえちも背徳感や秘密というものはそれ自体をより魅力的なものにするエッセンスだということをこの作品で再確認できました。

 

この二つ以外も宗教娘との百合の話とか同性愛の話もあり、ふわっとした軽い恋愛も描いていたりでいろいろなテイストがあって飽きずに読み進めることができました。

同じ人がこんなにいろいろ書けるって物書きの人はやっぱりすごいですね。

よろしくが恋愛短編書くってなったら2割が直球恋愛もので残りの8割はNTR物になっちゃいますね、きっと…

 

評価8/10