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様々な経験を積むことで多角的な視点を会得することの大切さ

「ゴムまりのように柔らかく弾むという伝承は耳にしていたがこれほどとは……」

 

 その日は確か4人くらいの高校同期と飲み会をしていた。話してた内容はそんなに覚えていないけど、その日来ていた東大生の横井が首絞めセックスをするのが好きという話は会うたび毎回しているのでその日もしていたと思う。飲み会もそろそろ終わりという時間になってほろ酔いになっていた僕へちゃんうらは「風俗にそろそろ行こうよ」と誘っていた。ちゃんうらは神戸に住んでいて梅田だか難波かでキャッチのバイトをしているらしく実際に自分もよく行っていたらしい。

 

童貞の大学三年生が、風俗に興味がないわけがない。さらに天鳳の鉄強はソープに通っているイメージがあったので日頃から風俗関連行事には興味を持っていた。

しかし、僕は高校一年生の時に秒速5センチメートルを見たことでイノセンスで繊細な恋愛に心から憧れてしまっていた。だから初めて彼女を作った時、他の女の人と握手をはじめとする身体接触を行っていたら不貞にあたるな、という女子高育ち箱入り娘並みの貞操観念を持っていたのである。Twitterで風俗レビューを見たりフォロワーの風俗ツイートを見た際に内から湧き上がる欲求も必死に慰めながら日々過ごしていたのだ。

 

そんな理由で最初はもちろん断った。

「お金がそんなにないから。」

「いや、将来できる彼女のことを裏切るわけにはいかないんだ。」

されど地獄に降ろされた一本の糸。いくら蜘蛛が嫌いとて、それに捕まってしまうのも時間の問題だった。

 

ちゃんうらに手を引かれ向かったのは歌舞伎町近辺のセクシーキャバクラなるものだった。セクキャバを知らない人のために説明をしておくと基本立直はかけられない(点棒はだせないので)ため、一発裏なし、赤はたまにあり、後付けありのクラシカルなルールである。お店へと続くエレベーターの前で図らずとも21年間童貞を守り抜いてきた僕はここからの行為を想像し酔いが冷め緊張してしまっていた。しかしここまで来たからには後には引けない。高鳴る胸を押え、ここは押しだ、と店内へ足を運ぶ。

 

お兄さんへお金を支払い、渡されたなんだかよくわからない液体で口をゆすぐ。プランはちゃんうらに任せたところ、3人のキャストさんが順番に回ってくるコースになったらしい。店内はファミレスのボックス席が二人分ずつに切り分けて並んでいるようで、仕切りとして吊るされた薄いカーテンが店内を仄かに灯す紫色の明かりで照らされていた。

 固く簡素な座席に腰を下ろし緊張と興奮と理性がブレンドされた心をいなしていると一人目のお姉さんが声をかけながら隣に座ってきた。店内はかなり暗かったので顔をじっくり見ることはできなかったが可愛くないわけではなかったと思う。

挨拶がてら「飲み物何にしますか?」と聞かれメニューを詳しく見る余裕もなく普段は飲まないビールを注文した。

 

優しそうな雰囲気のお姉さんは「何歳なんですか?」とか「お仕事は何してるんですか?」とか話を振ってくれるが普段女性とあまり話さない僕は視線も合わさず、どもりながら一問一答形式でしか答えることができなかった。来たからには何か行動しないといけないのだろうけど、何をすればいいかわからないバイト初日状態。いつもなら我慢して飲むビールを水のように飲み干していた。

ごくごくビールを飲む僕に「凄い飲みますね」とお姉さん。「こういうお店初めてで、しかも僕童貞なんで…」と返すとお姉さんは笑いながら「そうなんですね」と急に座る距離を詰め、ソファに押し付けていた僕の手に触れ始めた。急な出来事に僕の体はびくっと反応しそれからお姉さんの行動によってすべての歯車が回り始めたのを頭で感じた。

 

「緊張してるね。とりあえずちゅーしよ」

 

お姉さんの顔が近づき凄く柔らかい物が僕の唇にあたった。こういうとき目は瞑るのか瞑らないのか考えようとした途端お姉さんの舌が艶かしい動きで僕の口腔内に侵入し、僕は考えることをやめた。知能は新生児並みで、所謂ETIETI IN MY HEAD 状態になっていたんだと思う。兎にも角にもえっちだった。そこからさらにお姉さんは僕のよろしくに手を伸ばし始めた。そう、同人誌やえち絵でよく見るキスしながらカリカリするやつである。未知の体験に僕の頭はパニックを起こしお姉さんの「かわいいね」とか「どう?」みたいな発言になんて返してたか全く覚えていない。そこで終わらずお姉さんは「おっぱい、揉む?」と自ら着ていたシャツを脱ぎ小ぶりだがしっかりと周りに存在を主張する胸部を差し出してきた。そう!同人誌やえち絵でよく見るこれになりたいって奴だ。しかもそこからお姉さんは軽やかに僕の手を取り自分の胸に手を誘導してくれた。冒頭の知的な感想を頭に浮かべつつ「え、柔らかすぎる」というアホみたいな声が漏れてしまい、恥ずかしくなったのは鮮明に覚えている。  

 

お姉さんの猛攻は留まることを知らず三段目ワンチャンスの耳舐めや赤5切りリーチの1くらい危険な内太腿さすりなど多様な引き出しを用いて僕をもてなしてくれた。童貞の僕には刺激が強すぎて永遠にも感じる幸福な10分間だった。

 

そこから交代の時間となったのだが最初のお姉さんの対応が良すぎてあとの二人のことはあまり記憶にない。2人目のお姉さんは僕より体重が重そうな人で僕の上に乗り風俗の時給の話をしてくれた。3人目のお姉さんには「大学でどんな勉強してるんですか?」と聞かれてポータルでBlack sheetになった単位達を思い出し結構不快になった。

 

満足気なちゃんうらと一緒に店を出ると終電が近かったので足早に駅へ向かった。ちゃんうらは結構良かっただのキスが気持ちよかったとか感想戦に興じようとしていたけれど僕は初めての経験に対する困惑、冷めやらぬ興奮と恥ずかしさで黙って歩いていた。

 

ちゃんうらと別れてから電車に揺られて最寄り駅に着いた。

一人になり高ぶった気持ちが少し落ち着いてくると、今度は自分はもう純真さを無くしてしまったんだという喪失感で胸が一杯になった。TARITARIに出てくる来夏ちゃんの恥ずかしいことがあったら叫んでもっと恥ずかしくなって上書きするんだ理論を思い出してambivalent worldを歌いながら全速力で自転車を漕いで帰った。

 

それからその日、生まれて初めてえち動画のキスシーンで抜いた。